先日の「東大・ゲーム学習論の藤本准教授に聞くスピークバディの学習効果 vol.1」 に続き、AI英会話アプリ「スピークバディ」の「仕組み」や「学習効果」をゲーム学習論/オンライン教育研究をしている東京大学・藤本徹准教授に解説いただきながら、紐解いていきます。今回は学習効果に最も影響が大きいといわれる「フィードバック」について解説していただきます。
(本記事は2023年1月にnoteにて公開したものを一部修正の上公開しています)
AI英会話「スピークバディ」は「人と話さない」英会話サービスです。会話なのに人と話さないという矛盾に「それで本当に上達するの?」という疑問も湧きそうですが、ユーザーからはこんな声が挙がっています。
「褒めてくれる」「音声認識で自分の発音が可視化できる」「自分の発言に対して判定される」。たとえ相手が機械であっても、このようなやりとりを経ることで学習効果はあがるのでしょうか?
藤本先生(以降、先生):これらの声は要は「フィードバックがあるから嬉しい・楽しい」ということだと思うので、今回はゲーム学習論における「フィードバックの効能」について話していきましょう。
まず私たちゲーム学習の研究者はゲームをデザインする=「意味ある活動を創る」ことだと捉えています。ゲームが成立するための基本的な要素がこちらで、普及してきたゲーミフィケーションの手法も、この考え方がベースになっています。
ゲームとは、言うなれば「ゴールに向かって超える必要のない障壁を自発的に超えようとする取り組み」です。どんなゲームにも共通して言えることですが、ゲームなしでも日々の生活は回っていくわけで、それを敢えて日々プレイするようにする仕掛けとして、ゴールやルール、フィードバックが用意されています。中でもフィードバックは楽しさや意欲を高める効果・自発的参加を促す効果があるので重要度は高いです。
SB:どんなものが「フィードバック」として機能するのでしょうか?
先生:「達成度を把握」できるというのがフィードバックシステムの重要な点です。つまり、達成度を把握できるものであれば何でもフィードバックになり得ます。
SB:スピークバディで学習の流れに沿って見ていくと様々な「フィードバック」を受けられます。
その日のレッスンを終えると、その日のレッスンの点数・それによって出来るようになったこと(Can-do)が表示されます。花吹雪が飛ぶ演出もあり、少し嬉しい気持ちになりますね。またレッスン履歴からこんなふうに自分の学習済みのフレーズ一覧も確認できます。
また一つ一つのモード(単語学習/リスニング/会話・・)を終える時にはAIキャラクターからこんな励ましや賞賛のコメントも。
さらに、ユーザーからの声にもあったように、点数や★による評価だけでなくレッスン中の自分の発話が可視化されることからも「自分の発音はどう聞こえたのか」「正しく言えているのか」を把握することになります。
また少し引いてみるとプレイし終えたユニットはこのように埋まっていきます。これも「達成度をはかる」ことに繋がりますね。コンプリート欲をそそられるユーザーも多いはず。
発音トレーニングでも、発音を評価する表示が付きます。Native-Likeと出るまで何度も繰り返してしまう方も多いかもしれません。
こちらに挙げたのは一部で、本当に数え切れないほど、至るところで精緻なフィードバックが繰り返されるようになっています。
先生:第一回目で、「スピークバディは現実に起こりそうな課題」を挙げている、それが学習効果を高めているという解説をしましたが、課題の質がどれだけ高くても取り組み続けなくては当然ながら学習効果には繋がりません。フィードバックがあることで楽しさや意欲が高まり、継続できる、ということになります。
SB: AIからのフィードバックの良さは機能が精緻なだけでなく「どれだけ細かく指摘されても、嫌な気持ちになりづらい」ということもありますね。細かな文法や発音について繰り返し人から指摘されるとレッスンの雰囲気も悪くなりがちですし、なんとなく気が重くなってレッスンから足が遠のいてしまいがちです。
先生:フィードバックが小刻みなことも効果に対して有効です。比較対象としては学校の授業やテストでしょうか。大人数なので個別のフィードバックを受ける機会が少ない上に、テストも中間テスト・期末テストだけでは本人が達成度合いを把握するのは非常に困難です。それもあって時々小テストが行われますよね。スピークバディは、1日のレッスンの中で幾つものフィードバックを受けられるので、非常に良い効果を生んでいると思います。
先生:また今回、色々なユーザーからの声を見ていて気付いたことがあるのですが、スピークバディは非常に「間口が広い」学習サービスですね。本当に多様なコメントが見られました。多様な学習動機を持ったプレイヤー(ユーザー)を受け入れる仕組みが用意されているからだと思います。
SB:多様な学習動機を持ったプレイヤー、とは?英会話に特化したサービスなのですが・・・。
先生:目的は英会話でも、タイプは様々です。これまでに幾つもの論文で「学習効果が認められたゲーム要素」が発表されているのですが、その中で「プレイヤータイプ別のメカニクス」を分析するものも多くみられます。一部ですが、例えばこのようにプレイヤーのタイプによって用意すべき「仕掛け」があるという考え方です。
先生:英語を喋れるようになりたいという点は共通していても、スピークバディに集まるユーザーのタイプは多様ですし、そして目的意識の強さ、緊急度合いの高さ、学びたいカテゴリなど、具体的な動機も様々でしょう。
SB:確かに、目的やレベルをとってみても
【緊急度・高】来週出張!必要な会話を急いで練習・おさらいしたい
【緊急度・低】長い目で見て少しずつ会話力を高めておきたい
【ビジネス】仕事で使うことが増えてきた
【旅行・日常生活】旅行先で困らないように/海外の友人と話したくて
など様々な方がいらっしゃると思います。スピークバディではレベル・カテゴリ別に800を越すコンテンツが用意してあるので、どのような方でも対応できていると思います。また、おっしゃるように「達成感を感じたい」人もいれば「楽しく学びたい」人もいると思います。それに対しても
履修済みレッスンやCan-do(出来ることリスト)が増えていく達成感
ランキングやメダル獲得
キャラクターの人間関係が面白くて先が気になる
自分でコンテンツを選べる自由さ
など、多様な仕掛けを用意しています。
先生:様々なレベル・タイプに対応できる、多様なフィードバックの仕掛けが用意できているので、かなりの確率でユーザーの指向を捉えられるのではないでしょうか。
今後に向けて、敢えて言うなら、「意外性」が出てくるとさらに物語の惹きつけ力も高まると思います。キャラクター同士の人間関係が想定外に展開したり、思いがけない問いかけやリアクションなど。今すでにあるものもありますが、さらにこれらの要素が増えるとユーザーへの刺激になって良いと思います。
Written by / スピークバディ PR
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